無職ヒモ日記10

○生活レベルの違い

これまで生きてきて、家賃なんで高い値段払うのは心底無駄だと思っていた。特に10万以上払うとかあり得ない。新築だとか築年数にこだわることは無駄であると思っていた。とりあえず古くても家賃が安くて、広さがあって、ある程度水周りが新しければそれほど不都合な無いと思って今まで住んできた。

 

まあそんな価値観あっさり砕かれたよね。やっぱ高いマンションはQOL(quality of life)が高い。何がすげぇってまず光熱費ほとんどかからない。前のアパートだと断熱材も質が悪く、窓も気密性は皆無、おかげでいくら冷暖房かけても効きが悪い。つまり夏は暑く冬は寒い。おまけにドアの隙間から虫(ゴキブリなど)は入ってくるし、外の洗濯機の音や話し声などの騒音は聞こえてくる。

 

だが、新居はそんなこと無い。夏涼しく、冬は暖かい。気密性が高いのか一度冷暖房を入れれば、すぐ涼しくなる。故に設定温度は上げすぎず下げすぎずで電気代要らず。外の音は一切聞こえず、むしろこの建物他に人住んでるのか?ってくらいに遮音性が高い。おまけに備え付けのガスコンロは火力高くてすぐお湯が沸く。おまけにオートロックなので変な勧誘が部屋に訪問するようなことも無く、宅配ボックス付きでアマゾン注文が圧倒的に楽。あと24時間ゴミが何でも出せるって便利、これでうっかり生ゴミ放置で部屋が臭くなるなんてことも無い。

 

家賃が高いとこんなにも生活の質が違うのかと驚きますよね。

 

家電関連はいちいち書いていくと大変なので箇条書きにしてまとめます。

 

冷蔵庫:自動製氷の機能ついてるって便利。開けっ放し防止機能とか、中の配置も広くて効率よく使えて、安物とは大違い。

 

炊飯器:よく分からないけど、高いやつみたいでボタン一つでお米がツヤツヤ。炊飯器で炊いただけなのにお店のご飯みたいに旨い。

 

食洗機:食事のあと放り込んでボタン一つで洗いものが済むって楽、洗い物放置してシンクが恐ろしいことになるなんてことないのね。

 

ルンバ:意外に音がうるさいけど、放っておくだけで床の埃や小さなゴミを毎日掃除してくれて掃除要らず。

 

TV:画面大きい、画質綺麗。おまけに24時間番組録画。

 

○食生活

 

高いものは旨い、あと健康に良い。

以上

 

生活レベルが違うって凄いですね、俺サラリーマン時代だって食事なんてインスタントかスーパー半額惣菜ばっかりだったのに・・・。この生活始めてから健康面が多少向上した気がする。身体に悪いものをあまり取らなくなった。(彼女がいない時はインスタントばかり)あと室内が快適過ぎて引きこもりがしやすくなった(外出する金も無いのだが)

 

ただ何より一番有難いのは、生活の不安が無くなったが故に、これでようやく安心して今後の活動(就職活動や資格、英語の勉強などのスキルアップ)に打ち込めるという点である。まあ自分もいつまでもこんな生活に甘んじているつもりは無いのです。

 

ただ、俺がいくら頑張ったところで彼女の年収に届くことは無いのだろうなぁ・・・

 

 

無職ヒモ日記9

○ヒモとなる転機

 

ヒモになりたいと思っている人間はヒモになることは出来ないと、どこかで聞いた。

実際そうであろう。俺がそうであった。俺はヒモになろうとしてなったわけでは決してない。ただいつの間にかそうなってしまったのである。

 

俺は三流私大文系学部卒、これと言って何の取りえもない男である。おまけに非常に不器用、コミュ障でもあるため上司からのウケはすこぶる悪い。今まで三回転職を繰り返しているのだが、そのどこに行っても上司からは嫌われた。

 

しかし俺も嫌われてばかりではない、嫌われたことが分かったら俺も嫌うのである。一度オフィスで怒鳴りあいの喧嘩をしたこともある。嫌われたってただでは済まない、こちらだって上司を嫌ってやるのだ。そんなことをしていたらいつの間にか会社を追い出されていたわけだ。

 

追い出された理由にはもう一つ訳がある。それは自分がADHDであるからである。なーんかミス多いし、人と違うよなーなんて思っていたところ、友人の勧めで医療機関の検査を受けてみたら案の定引っかかってしまったのだ。それを会社に報告したところ一年後にあっさりとクビである。

 

上司と折り合い悪く、得体の知れない(と思われている)ADHDなんぞ抱えている社員になぞ用はないと言う事だ。理不尽(だとは自分で思っている)な理由で退職勧告をされたのだが、しかし会社も後ろめたかったのだろう。出社不要で三ヶ月は在籍させてもらえるとのことであった。

 

前述のブログ通り、この期間は廃人生活を満喫した。というより他にすることが無かった。どう考えても自分がサラリーマン生活が向いているとも思えず、どうしたもんかと考え色々試行錯誤していた時期である。もちろんアニメも盛んに見ていた。

 

そうして過ぎた三ヶ月、今度は会社を正式に解雇され離れ、失業保険給付の始まりである。そうなると重く圧し掛かる社会保険、市民税。家賃安く、光熱費は安いが、やはり生活に関する固定費は無職に重い。

 

どうしたもんかと考えあぐねていたが、ここまでの経緯は一切彼女に話していなかった。まあ普通に言えるわけがない。ここでヒモ願望がある男子なら、そっこーカミングアウトして彼女からの経済的支援を請うのだろうか。まあ俺にはヒモ願望は無かったので分からんとこである。

 

ただ、金の不安があったため、高ステータス&高所得の彼女の生活に合わせることが出来ず、ある日思わず彼女の家を飛び出してしまったことがある。そこですったもんだの末ようやく無職になった旨を彼女に伝えたところ、思いのほか彼女はすんなり受け入れ、色々と俺を支えてくれるようになった。(主に食費関連)

 

そんな期間がしばらくあり、なかなか就活が上手くいかず、コスパの良い埼玉県W市の家も引き払って、もっと安い所に引越し長期戦の構えを考え始めた頃、ちょうど彼女のマンションの更新の時期が被った。後はご想像にお任せする。まぁ最初は彼女も渋ってはいたが、色々俺が思いつめていたりもしていたので最終的には首を縦に振った。

 

最初っから転がりこむことなんて考えていたら、女ってのは勘のするどい生き物であるので、そんな思いあっという間に見透かされて拒否されるだろう。ヒモ願望のある男が上手くいかないのはそんなところだと思う。

 

自分の場合は、そんな願望無かった。ある程度は自分の力で何とか生きていく気概があったのだが、色々とトラブル続きでなし崩し的に同棲することになった(家賃は払っている)

 

まぁ何が言いたいかって言うと、ヒモは考えてなるものじゃない。流れでなるものなのかもしれないってことだ。

 

 

 

 

無職ヒモ日記8

○無職の生活(彼女宅編)

 

基本的に彼女の自宅には週末入り浸る感じである。金曜の夜に部屋に行き、そのまま土日を過ごす。その間の食費は一応割り勘。光熱費に関しては無料である。

 

この日はふだん毎日シャワーなので湯船を張った風呂に入れることが楽しみであった。

 

食事に関しては一応割り勘であったが、元々買ってある食材に関しては不要。またネット通販で取り寄せた食材に関しては不要であったため、なかなか良いものが食べることが出来た。普段インスタントor半額惣菜で足りない栄養素、良質なたんぱく質、ビタミン、食物繊維はここで補給していたのである。まあ明らかに割り勘に足りないのは目に見えてます、それは自覚しておりました。ですので足りない分は身体で・・・、ええ料理は自分が作っていましたね、全部

 

彼女宅にはPS2を置いていた。そして中毒性の高い戦闘国家改というSLGをひたすらプレイしていた。後は割と真面目系の本、文学系などの読書なんぞを優雅にしたものである。

 

ちなみに彼女のウチは都内にある。毎週毎週往復の電車賃を払って行くのは無職に負担が多い。ので、交通手段は自転車にした。というか都内までの移動はほどんとが自転車である。これも無職に住みやすい埼玉県W市のおかげである。埼玉なのに板橋区で地続き、池袋も自転車で30分の距離である。一時間かければ東京の殆どに出られる好立地の賜物である。

 

 普段は部屋に引きこもり、アニメ鑑賞かゲームが読書しかしてない引きこもり。たまの外出くらい身体張って動かないと、筋肉は衰えていく一方である。ってわけで俺は進んで彼女宅と埼玉県W市の往復に自転車を使った。

 

(段々帰るのが億劫になって、彼女宅に入り浸るようになっていったのは言うまでもない)

 

 

 

 

 

無職ヒモ日記7

○無職の生活(自宅編)

 

13時頃:起床、ノソノソと万年床から起き上がり散らかりまくった部屋をフラフラと歩き台所へ。食パンとジャムと低脂肪牛乳&インスタントコーヒーで作ったコーヒー牛乳を腹に入れる(低脂肪牛乳&インスタントコーヒーは低脂肪牛乳のコクの無さにコーヒーの味が加わり、またインスタントコーヒーの風味の足りなさも誤魔化せるので非常に重宝していた。コーヒーや普通の牛乳を買うより安く済むというのが一番の理由なのだが)

 

14時~:アニメ鑑賞開始。この頃見ていたものはがルパン、コードギアスガサラキ、GATE、まどマギ、なんかを全話一挙に見たりしていた。昔見た懐かしいガンダム系も見ていた。っていうか大量に見すぎていて何を見たのかすら詳細には覚えていない。

 

15時~:唯一の外に出る時間。運動の時間である。当時住んでいた埼玉県W市は起伏に富んだ地形で、ジョギングするにはなかなかキツイ地であった。2~30分も走れば結構汗をかく、お気に入りのコースは荒川を横断するコースであった。

 

16時~:帰宅、シャワー。アニメ鑑賞再開

 

21時~:近所のスーパーの値引きの時間。掘り出し物(弁当、惣菜、刺身、肉関連)を発掘してくる。

 

22時~:夜食開始

 

22時半~アニメ鑑賞再開、時にはラノベを読んだり読書をしてリフレッシュ気分転換したりもする。

 

明朝四時~六時:アニメ鑑賞に疲れたり、眠くなったら就寝。特に決めてはいなかった。

 

アニメ鑑賞以外にシュミレーションゲームの信長の野望をひたすらぶっ通しでやり続けることもある。信長ではもはや新鮮味が無いので、蠣崎氏(北海道の武将、雪で進軍止まる、部下はいない、資源も兵も無いの三拍子、上級者向けのキャラである)で全国統一を目指すなどひたすら時間がかかるプレイを好んでいた。金は無いけど時間は腐るほどあるからね!!!

 

 

 

 

 

 

無職ヒモ日記6

○彼女にいつ伝えるか

 

無職になる前に彼女がいました。付き合って一年ちょいほど。低学歴の中小企業勤務の俺と違い、一流企業に勤めるバリキャリの女性です。

 

とうぜん社会性ばつぐん、無職のことなど軽々しく言い出せません。

 

無職期間中も黙って付き合っておりました。しかし彼女は高収入、高ステータスの人間なので食事、デート先もろもろ非常に金銭的負担が大きい。働いている当時ですらおごる事は不可能だったので(確実に月の生活費が無くなる)割り勘にしてもらっていたのだが、無職になり段々とそれも不可能に…

 

ある日俺は切り出した。

 

「ごめん実は先月から無職になったんだ」

 

「あぁ、何となく察してたわ」

 

まじかよ

 

話を聞くと俺の行動パターンが変化したので、何かあったとは察していたようであった。高学歴の分析力はんぱねぇ。これじゃ浮気も出来ないね、まぁするような甲斐性はないが。

 

「まあ仕方ないから、次の仕事探せばよくない? いざとなったら私のうちもあるし」

 

とお優しいお言葉。しかし人間の屑に『いざとなったら私のうちもあるし』という言葉は禁物である。どう転んでもヒモ化するのは目に見えている。事実俺はなった。

 

しかし俺がヒモとなるのはもう少し先の話なのである。

 

 

無職ヒモ日記5

○無職と行政の上手い付き合い方

 

無職にとって重い負担となるのが市民税、年金、健康保険である。

勤め人のうちは会社が費用負担をしてくれている部分があるが、無職はそうもいかない。特に市民税やら保険料は前年度の給与がベースになって計算されるため、無収入にとってはえらく重い負担なのである。

 

まず正式に会社を離職したら、直ちに離職票を持ってハローワークに行こう。ハロワに行って失業保険の手続きをすれば、会社理由の解雇であれば即失業保険が給付される。自己都合であれば待機期間があるが、そこは給付型の職業訓練などを受ければそこそこの給付を貰うことも可能だ。とにかくやりようはあるので即ハローワークへGOである。

 

あと必要なのは年金の支払い猶予、これ重要。これしないと即国民年金事務所から支払い状が来るので割と面倒なことになる。ここで更に重要なのはハロワに行って失業認定を貰っていることが重要になるのである。失業認定をもらい、失業保険受給者証をもって市役所に行けば手続きが楽々出来る。それと同時に国民健康保険の手続きもしよう、会社都合の退職だとかなり保護してくれて、保険料の支払いが安くなるのである。この二つは絶対にしておくべきである。でないと少ない貯蓄をがっつり持っていかれることになる。あとは市民税、こちらは世知辛く、失業中でも容赦なく持っていかれる。ただ分割支払いは出来るので、必要なら手続きをとっておこう。

 

上記の手続きを取れば、無職無収入の期間もそれなりに戦える。もし無職になってお困りの方がいれば是非参考にして欲しい。そして同じ無職の友としてこのくそったれな日本社会を戦い抜こう!!

無職ヒモ日記4

○無職にとってのネット

無職にとってネットは偉大である、空気と一緒なくらい無くてはならないものである。

 

まずそのメリットと言えば、回線さえ引けば後は無料で際限なく娯楽を堪能できる点である。これが無ければ俺は恐らくパチスロや酒に溺れていたかもしれない。

 

次に唯一社会との接点を繋ぐ窓口であるという点。フェイスブックツイッターなどのSNSは孤独な無職にとって一筋の光明とも言えるのだ。無職は金がかかるから外出はしない、後ろめたいからアウトドア志向の遊びもしない。ひたすらウチに篭ってネットをしているのだ。そんな俺にとってネットはかろうじて結ばれた社会との接点なのだ。実はここが重要なのである。

 

フェイスブックで友人の近況を知り、そしてコメントさえしていれば友人から行方知らずとも言われないであろう。ツイッターでフォロワーさんと絡んでいれば友人と話しているのと大差ない。ネットがあれば孤独に押しつぶされることは無かった。

 

人間はなんだかんだ言って繫がりを求めてしまう、非常に社会性の強い生物なのである。ツイッターを見てみるとよく分かる。あの界隈では『フォロワー数=アカウントの格の高さ』みたいな風潮がある。特にツイ廃と呼ばれる非リア会の中では特に。友人なんか要らない、孤独が友達!!なんて強がっていてもやはり人はなんだかんだ言って繫がりを求めてしまうのだ。

 

無職も同様である。無理やり会社から弾き出された、社会との繫がりを断たれた無職にとってネットは娯楽以上に、社会との繫がりを保つという意味で重要なツールなのである。