無職ヒモ日記31

〇 憧れと現実

 

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なるほど、よく友人から「ヒモになりてー」とか聞くけど、世間一般でもヒモにやら主夫になりたい連中は多いわけだ。しかし一つ聞いてみたい。そこまで願望があるなら何故実際に動かないのか? 実際、彼氏の収入や仕事は一切気にしないという女性層は一定層いる。俺の彼女もそうだ。女性の社会進出が進み、今や年収で男を上回る女性は多くいる。家庭より仕事を重視する女性なんて東京丸の内に行けば石を投げれば3人に1人くらいは当てられるだろう。

 

ヒモや主夫になりたかったら丸の内の改札に行って片っ端からナンパしていけばその内にその願望は叶うんじゃないか? それこそ薄給&パワハラ上司&ノルマの三苦の責めに耐えてきた歴戦の社畜の精神があれば週末キャリア女性ナンパくらい鉄の心で簡単に出来るだろうよ。

 

今後何十年、あのクソハゲ陰険部長のノルマの詰めによりジリジリと精神を蝕まれていくか、週末丸の内のキャリアっぽい女性数十人に声をかけてフラれつつもいつかは目的を果たして夢のヒモor主夫の座をゲットし、ストレスフリーになるのとどっちが楽なのだろうか?

 

まあ単純に考えたら後者である。しかし一向にそんな気配が見えないし、そもそもヒモor主夫の絶対数も増える兆しは無い。これは一体どういうことであろうか。答えは簡単。それはそもそもこの願望自体が、半分諦めと、そして少々の蔑みから成り立っているからである。

 

「諦め」とは?

  • そもそも男を養ってくれるor自分より年収が低い男性を男として見てくれる女なんていない

 

これは大きな間違いである。確かにそういった話は一定数ある。自分が新卒で入った会社は仕事の中身はともかく年収は非常に良い会社であった。そこでは同期や先輩女性社員がとにかく売れ残っており、皆が口々に「いくらいい男がいても自分より年収が低いと付き合う対象にはならない…」と言っていた。うちの会社の年収を越す業界なんて上位広告業界か大手マスコミ、商社くらい。それを言いだしたら彼女たちはほとんどが結婚出来ないだろう。

 

私的見解ではあるが、そういうことを口にする女性ほど中途半端な学歴と中途半端な仕事観で勤めている連中が多かった。その年収はたまたま入った業界が良かった故の年収であり、決して自分の実力では無い。それを理解していないから、目先の年収という数字にしか価値を見出せないのかもしれない。ただ、自分が仲良かった同期の女子でトップの学歴を持ち、そして仕事観も申し分なかったコは転職繰り返し、今は外資のコンサルにいる。そして恋愛も自由に楽しんでいる。

 

他にも知人で旧帝出の女性弁護士も付き合う男性の仕事や年収は一切気にしておらず、現在絶賛彼氏募集中である。その友人で東大卒の超エリート企業弁護士も交際相手の年収や職業は一切気にしないと公言している。また俺の知り合いの高卒フリーター警備員の奴は女性医師といま交際している。俺の彼女もそうであるが仕事観も学歴も掛け値なしに優秀な女性は男の年収職業は一切気にしていない。だから諦める必要なんて無く、たまたまそういった層の女性と触れ合う機会がないだけなのだ。それを確かめるためにも今夜の華金丸の内でナンパをしてみよう。

「少々の蔑み」とは?

  • なんだかんだ言ってるけど、結局ヒモとか主夫とか負け組だよな

という考え方である。これに関しては全く否定しない。というか出来ない。ヒモはまあ世間体悪いです。ええ。俺はクソ虫です。存分に蔑めばいいい。ただ待って欲しいのは幸福度である。俺を(ヒモを)見下すのなら… あんたらの会社は九時五時で帰れて残業代は100パーつけられ有給消化100%近い。上司は理解のある人で同僚との関係性も良好。極度のノルマも無く、適度のストレスで健康的。おまけに年収800万超えで福利厚生最高! であるならば許そう。こういったリーマンから見下されてしまうのは仕方ない、勝てる気がしないっす。お前がナンバーワンだ。カカロット

 

早朝出社、サビ残強制。有給何それ甘え?的な職場で働き、上司は理不尽で三歩歩けば出した指示を忘れて怒り出す鶏野郎。同僚との関係は殺伐として出世のための蹴落とし合い脚の引っ張りあい。実現不可能なノルマを課せられ毎日がストレス地獄で年収300万って奴は俺を笑うな。笑うんじゃねえ、むしろ一緒に泣こう。一緒に泣いてあげるからさ、俺と一緒にヒモになろうぜ? なあ、ほらお前もこっち側来いよ? 辛いだろう、しんどいだろ、分かるからヒモか主夫目指そうぜ?

 

〇結論

 

結局、世間一般でヒモになりたい主夫になりたいだの願望は聞くが、結局それに一歩踏み出すために努力している奴らは少ないってことである。そこにはやはりプライドや偏見がどこかにあり、どうしてもその道に踏み出すことが出来ないのである。

 

しかし先述した通り、ヒモを養う気概がある女性は男が思っているより案外多い。そして肝心の幸福度、どうでもいいブラック企業にしがみついてスキルも経験も付かず無駄に時間と精神を食いつくされていく人生とヒモor主夫生活とどっちが良いのだろうか?

結論は各々に任せるが、しかし… 一歩踏み出す奴らがもう少しいれば俺の立場ももう少しは上がるかもしれない。

 

いや上がるわけないか。低学歴無職ニートでヒモの俺は…