無職ヒモ日記11

○彼女のこと

彼女は超絶エリートである。中高一貫の有名私立高校を出て、難関国立大学の上位学部卒、そのまま難なく某有名企業に入社し幹部候補として現在キャリアを歩んでいる。ビジネスレベルの英会話を身につけ、資格も複数所持、教養も豊かで週末はクラッシックコンサートや伝統芸能を鑑賞するような優雅な生活。学生時代の繫がりで霞ヶ関、政界、財界に多数の人脈があり、経済紙でよく見かけるレベルの人が友人に幾人もいる。

 

そんな化け物のような人間だ。受験戦争でトップで走り、そして就職戦線でも圧倒的勝利を勝ち取った。まるで征夷大将軍レベルの逸材である。昔の日本なら軍神として神棚に奉られているレベルだ。

 

そんな天上人レベルである身分の貴人と場末の油虫みたいな俺がどうして付き合っているのか、それはお釈迦様でも分からない。

 

ただ一つ言えることは彼女は男を見る目が無いということ。如何せん、俺を選んでいる時点でダメである。彼女の唯一の汚点である。俺と付き合う前は某T大法学部卒業のキャリア官僚と付き合っていたそうだ。その男と別れた後に俺。この間に目が腐ったのであろうか? 

 

この謎はリーマン予想を解くことより難しいであろう。