読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

無職ヒモ日記29

〇 日雇いバイトに登録してみたらなかなかに辛かった件

 

さすがに無収入はやばいので日雇いから出来るバイトに登録してきた。日雇いと言っても都内にある某巨大イベント施設でスタッフでイベントがある日に合わせて予定を入れて仕事をする仕組みである。

 

ただ週最低何日とかも無く、入れたい日に自由に入れて辞めたくなったら行かなければいいだけという気楽なスタイルが気に入って登録してみたはいいが、大分えらい目にあってきた。

 

それは某有名アーティストのコンサートの設営をする仕事で、都内にある某会場に集合するのだが、集合時間が夜の七時とかであった。直前まで別にイベントがあるので終了後に総入れ替えしてコンサート会場を設営するらしい。

 

とは言え昼型の生活をいきなり夜型にするのも難しい。昼の間に昼寝をしてみたものの眠れるはずもなく、やや不安な心持で仕事へと出かけた。

 

仕事内容はいたって単純、ついてから適当に班に振り分けられてコンサート設営の手伝いをするのだ。ある班は舞台の骨組みを作る職人さんの下について、ひたすら言われた規格の部品や鉄パイプを拾って手渡す仕事。俺は音響系の仕事の人につく班で、スピーカーの設置位置にテープとか貼っていく仕事だった。

 

仕事内容は単純で、非常に退屈であるが何がつらいって人間扱いされないこと。仕方ないことだとは思うが、設営会社の方々からはことあるごとに「派遣さーん」と呼ばれる。一応最初自己紹介したんだし、名前くらい… と思うが自分が逆の立場だったらいちいち覚えきれないだろと思うのでそれは仕方ない。

 

イラつくのが、設営会社の社員が非常に偉そうな点。こっちを非正規の派遣と見下して完全に上から目線で指示をしてくるのだ。まあこの点もそんなものかと思って我慢はする。しかしお互い夜中の二時を超えてくると眠気と疲労で段々判断力も低下してくる。そんな時間帯に社員(女)の方からブルーシートを畳んでおけと指示が下ったので、普通に畳んで片付けておいたのだが、どうもその会社には畳み方に決まりがあるらしく、俺の畳み方はそれと違っていたらしい。しばらくして畳んだブルーシートを見た社員(女)が突然キレだした。

 

「何コレ?? 畳み方違うじゃない!! あんたたちブルーシートもまともに畳めないの!!」

 

その社員(女)は30半ばくらい。それなりに顔立ちは可愛かったであろうが化粧ッ気も無く、ボロボロの肌、顔には疲弊と目の下にはクマが出来ており、髪もボサボサ。仕事(会社)に振り回されて色々とすり減っているんだろなーと思えるような女性たった。

 

ただ言えるのは、そもそも細かい指示を出していないのは社員(女)なわけで、畳み方の説明が無ければ各々がそれぞれの方法で畳むことになるくらい簡単に想像できるだろう。しかしそれが出来ないくらい追い込まれているのか、それとも頭が回っていないのか、それとも単に馬鹿なだけなのか。この一件だけでは分からないが、イライラしながらブルーシートを畳み直すために俺らの前にシートを投げ飛ばしてきてたので、深夜の眠気と苛立ちがマックスに達した俺は無表情でそれを蹴り飛ばした。

 

見下していた派遣にそんな反抗されるとは思っていなかったのだろうか、その社員(女)は驚いた顔をして、ブルーシートを自分で畳みなおしてどこかに消えていった。その件はそれで仕舞。特に怒られることもなかった。派遣如きに怒る時間を割くの勿体ないのかもしれない。

 

その後も仕事は続き、音響の仕事がひと段落した後は機材の搬入などの力仕事であった。ゴムの滑り止めがついた軍手が配られ、トラックからコンサートの装飾で使う人形やらマネキンやら、他にもよく分からない機械の入った箱をひたすら下ろして運ぶ仕事だ。この頃になると眠気がやばくなってきて立ったまま眠れる勢いであった。あまりにひどい時はトイレに行くと言って抜け出し、洋式便器に座って五分程度の仮眠をとってその場を凌いだ。

 

予定では朝の八時に解散であったが明け方の六時になるともう限界すれすれであった。疲労もそうだが眠気がやばかった。六時半過ぎに、次に搬入する資材がまだ着かないのか何なのか、全体に休憩が言い渡された。ほっとしながら座ると隣に若い男の子が座った。

 

人懐っこい奴で、隣に座ってる俺に話しかけてきた。聞くとこの近くにある私大の大学生らしく春休みを利用してアルバイトに来たのだといる。コンサートの設営だと聞いて華やかな仕事を想像していたが、まさかの肉体&肉体でこんなに疲弊するとは思わなかったと笑っていた。あと俺と同じく、いつもと違う時間帯のために眠気マックスで辛い点を強調する。俺も同じだと言って二人で笑っていると、そこに現場監督がやってきて解散の指示が下った。理由はよく分からないが、仕事はもう上がりらしい。どんな事情があったかは知らないが八時までの仕事が七時で解散になったのだ。正直限界がきていた俺はホッとして帰る支度を始めた。

 

帰りの駅はその大学生と同じ方向であった。またどこかの現場であったらと、一応ラインを交換したが恐らくお互いメッセージを送ることなく終わるだろう。

 

帰り道、自宅のある駅に着くと今から出勤するサラリーマン達がスーツにネクタイを締めて改札をくぐる姿が目に入る。

 

ついこのあいだまでは自分もあちら側の人間であったのだが、えらい落差である。

 

が、しかしスーツを着てネクタイを締める人間が須らく偉いというわけでもない。中にはブラック企業で今日の俺より酷い仕打ちを受けて働く人間もいるであろう。どちら側が良いとは言えない。仕事が金を稼ぐことのみが目的ならどの仕事に貴賤は無い。しかし今日の日本は仕事に遣り甲斐や生き甲斐、生涯のビジョンなどを持たせる。それ故、それらが無い単純労働などは一段下に見られるという格差はある。仕事で無く、仕事の外に遣り甲斐や生き甲斐を求めて、仕事はただ金を稼ぐ目的として消化するだけじゃいけないのだろうか? 今日の社員(女)などが派遣を見下すあの空気はそういったものが創り出している気がした。まあそんな難しい話はともかくとして、今日はとにかくひたすら寝ようと思った。

 

家に着くと風呂に入る間もなくベッドに倒れ込み夕方まで爆睡した。後日、あんたの寝てたシーツが汗臭いと彼女から激怒されたのは言うまでもない。

 

 

 

 

 

 

無職ヒモ日記28

〇 気付いたら先週一週間財布の中に千円しかなくても生活出来ていた件について

 

先週の終わり、財布の中に千円札が一枚しか無かった。まあ無くなったら下ろせばいいやと思いそのままにしたら金曜日までお金を下ろすことが無かった。

 

ヒモの生活はかなりローコストである。

 

ヒモと言っても彼女から金をせびったりしているわけでは無い。一応雀の涙程度だが家賃も払っている。食費も別だ。

 

彼女が平日、仕事に出かけている間は俺は家にいて一人で過ごす。その間にかかるお金は自分の貯蓄を切り崩し何とかしている。とは言え外出せずに家にいれば食費しかかからないので、別に使う所はない。

 

先週末、大鍋でカレーを煮た。ご飯を大量に炊き冷凍もした。今週一週間はそれを食いつないで生活したと言って良い。たまにカレーに飽きるとラーメンを作った。そのラーメンも業務用スーパーで安く大量買い出来る冷凍麺、スープはウェイパーとニンニク、ショウガ、醤油等の調味料で適当に味付けをし、後はスーパーで買ったもやし(29円)と卵(8個入り168円)を入れるだけ。一食100円程度だろうか。もちろん買いだめがあったから使わずにいれただけであり、実際に消費した財を考えたら千円以上は超えているであろう。

 

しかしそれも微々たるもの。恐らく三回外食する程度のお金があれば一週間なんとか食いつなげることが分かったのである。

 

働いていた時は自炊がめんどくさくてしょっちゅう弁当を買ったり、外食をしていたが、思えば無駄な浪費であった。あの全てを自炊にしていたら俺は幾ら貯まっていただろうか。

 

この一週間に消費したお金はドンキでディスカウントされた炭酸飲料とお菓子、それとブックオフで文庫本を買った程度。占めて547円である。それが今週使った金額の全てである。お菓子と炭酸を我慢すればもっとお金は使わないで済む。来週は我慢しよう。

 

ちなみに最近読書にハマっている。読書はいい。お金をかけずに楽しめる娯楽で、尚且つ文化的且つ教養にもなる。資格系の勉強本も買ったので読みながら資格も取れたら一石二鳥。

 

ブックオフは貧乏人の味方である。ぶっちゃけkindle買おうか迷っている。Amazonプライムに入っていると安く買えて、尚且つ電子書籍も無料で読めたりするらしい。何それ貧乏人の味方。

 

Amazonプライムは映画もアニメも見放題だったりして、意外にお得。年会費4000円くらいだがあれは金額からしたらかなりリーズナブルだとは思う。

 

こう書くとAmazonの手先かと思われるのでこれ以上はあまり褒めないでおく。

 

人間、お金じゃないよね。お金を使えば楽しいことはたくさんあるけど、そのために身を粉にして働いて人生の大半を無駄にすることは果たして豊かなことなのか? 

 

あまりお金を使わずとも楽しむ方法は幾らでもある。俺は後者の道を選びたい。

 

 

 

 

 

 

そういや彼女は今夜、仕事の会食で二万のフグを食ってきたってさ… へぇ... いやフグってただの白身魚じゃん、別に大して旨くないよね。別に羨ましくないです。(あしたハロワ行こう)

 

 

 

無職ヒモ日記27

〇 無職の俺からブラック企業に勤めるサラリーマンに言いたいこと

 

前職は所謂ブラックであった。まあ土日はきちんと休みが取れている分、休日出勤がある会社などに比べたらまだマシだったかもしれない。しかしここでブラックぶりを競っても意味は無いし、する気もない。

 

俺の働いていた会社は従業員20人未満の小さな会社、就業規則も無けりゃ勤務時間も決まっていない。だから残業代なんて概念がそもそも無かった。一応始業は九時、俺は入社してすぐ、十~五分前に事務所に着いていたのだがある日先輩に呼び出されて怒られた。

「なんで八時四十分に来てねーんだよ、みんなより遅くて悪いと思わないのか」

 

と、それに対し

 

「いや始業は九時と聞いていましたがそれには間に合ってますよね? 20分前に来るという根拠は何処にあるのでしょうか? その辺り就業規則はどうなってるんでしょうか?」

 

と返した。Fランとは言え一応法学部と名がつく学部を出ていたので一応反論してみた。まあこの辺りが俺の社会性の無さである。素直にはいと言えばいいのにね。

 

就業規則なんてそんなもんねーよ、分かったら明日から八時四十分に来い」

 

当然先輩は不機嫌そうな顔をして、そう言い放った。俺氏愕然。就業規則が無い会社があること自体が予想外であった。つーか就業規則が無いってことは社員に残業させらないし、解雇する時に色々面倒になるはずなんだけどな。色々突っ込みたいところはあったが、そこは胸の内に秘めてやり過ごした。この辺りからこの会社を疑い始めた。

 

そもそも会社の会議の設定時間がイカれてた。顧客ありきの仕事なので仕事が終わって全社員が集まる時間が遅くなることは了承済みだが、夜の九時から本社集合である。結局社員が全員集まったのは10時過ぎ、終わったのは11時半。もちろん残業代は無い。しかも誰も文句は一切無いし、それを当然のように受け止めている。俺は少々この会社はおかしいと思い始めた。

 

会社もクソなら上司もクソ、プレイヤーとしてかなり優秀な人ではあることは認めよう。が最初からいきなり個室に俺を連れ込み

 

「お前は俺が注意するときいつも目が反抗的だ。そういう態度で仕事をするなら考えがあるぞ」

 

と、いきなり脅しから入る。後でほかの辞めていく社員に聞いたら、その人の下に就く人は皆同じことをやられているそうだ。そうやって最初に人を威圧して言うことを聞かせやすくするための上司なりのテクニックなんだろう。アホか、んなもん中高の部活の先輩レベルのテクだこの低能!!

 

ちなみに前任者は三人が三人とも辞めていっている。上司のいびりに皆馬鹿らしくなって辞めていったのだろう。

 

おまけに引継ぎは一切無し。次の日からいきなり担当先を任された。右も左も分からない中、本社の管理部から突き上げを食らい、担当先からは突き上げを食らい、上司からも突き上げを食らい、毎日必死になって仕事をこなしストレスで胃が痛かった。当然ミスは全部俺の責任。聞いていない情報や、そもそも会社のシステムのエラーで起きるミスが全て俺個人の責任し詰められる。

 

ある日その𠮟責に耐えかねて、反論をした。会社の在庫管理システムにエラーがあり、それを修正せずに放置していたために起きたトラブルであった。それを俺の職務怠慢の所為だと上司に詰められたからだ。

 

さすがに俺もそこは理知的に反論した。俺の確かに注意不足はあるかもしれない。しかし在庫管理システムにエラーが出たまま修正せずに放置していた会社の責任もある。そのエラーを放置していた分が積み重なって起きたのが今回の事態であると。ここで俺をいくら叱責をしても意味が無く、こんなことで有耶無耶にしても今後同様にトラブルを起こりうるであろうから、ちゃんと根本的な問題解決をすべきだと反論。

 

結果としてはこれがまずかった。上司は

 

「じゃあ誰の責任だ? Aに言えば問題は解決するのか?」(Aさんは在庫管理の責任者。システムを作っていた人の上にいたBさんの上司になるが、肝心の作成者のBさんは俺の上司のいびりで二か月前に辞めている) 

 

と更に詰めてくる。システムを作っていたのはBさんで、すでに辞めている。それ故、いまAさんにその責任を負わすは正直話が違うと思ったので。

 

「自分の口からは誰に責任があるかとは言える立場にはありません。ただシステム上のエラーをこのまま放置していたのであれば、それは後々に同様の問題が起きかねないですし。自分を怒ってどうにかなる問題でも無いと思う。むしろこの問題の本質は…」

 

と冷静に上司に反論しかけたところで

 

「もういい黙れ!! さっさと仕事へ行け!!」

 

と顔真っ赤にしてブチ切れになりあそばされました。たぶんこの上司今まで自分に反論してくる部下が今までいなかったようで、反論に慣れてなく、ただ闇雲にブチ切れるくらいしか出来なかったようである。ここまで精神的に幼稚な上司を見たのは久々であった。

 

最初にも書いたが結果的にこの行為が仇となった。その一か月後、俺は試用期間で解雇を宣言される。色々言いたいこともあったし、労基に駆け込んだら撤回させることも可能だったかもしれない。ただこれ以上こんな上司の下で延々と今後働かねばならないかと思うと、そこまでする気にもなれなかった。

 

この後の対応がまたクソで。本社に退職手続きに向かったらシレっと退職届を書けと言われる。あれ? 俺上司に解雇って言われたはずなんだけど、俺から退職届を書くってどういう話だよ? 当然拒否。うちの会社では書くことになってるから、とか社長が言ってくるので、就業規則が無い旨、また労基にチくること等をチラつかせたらあっさりと引き下がった。

 

もう色んな意味でブラックでしかない。

 

俺はこの会社を一か月で辞めようかと思い始め、結果的には二か月目に会社から解雇された。結果的にはそれで良かったんじゃないかと思っている。

 

しかし残った社員は何故か盲目的にこの会社に従っている。非論理的な叱責を繰り返し傍若無人に振る舞う上司の顔色を伺うことに必死な先輩。その上司の下でビクビクしながら働く事務の女の子。子供がまだ生まれたばかりなのに労務管理もしっかりしてない会社で毎晩終電間際までこき使われて疲弊してる在庫管理の責任者。

 

最後辞める直後にそれらの人とざっくばらんに話してみた。一人の先輩(上司の顔色ばかり伺っている先輩)は俺から同業他社の話を聞きたがり、ここから離れたい雰囲気を醸し出していたが、他の皆は一切離れる気は無く。そこまでこの会社も悪くないよ。。。と言った話ばかりであった。

 

『像は小さな頃から飼われていると、自分で引きちぎれる鎖であっても引きちぎって逃げようとしなくなる。』

 

とかって話をどっかで読んだ記憶がある。

 

正直、この会社の社員は少人数で大量の仕事をこなし、そこらの社員よりよほど優秀である。同業他社で、勤務時間も少なく残業代も出て、給与ベースも上がる会社は幾らでもある。俺はFラン卒で無駄に転職回数重ねた人間なのでもう諦めている。俺は無職ヒモの屑くらいが関の山だけど、他の人は探せばもっといい会社があるのになぁと最後辞めるとき思った。

 

ブラック企業は会社や上司がやばいんだろうけど、その環境に慣れてしまって、その境遇を甘んじて受け入れてしまう社員もいるから悪いんじゃないかと思う。俺は反論して解雇になったけど、皆で結託しておかしいことにおかしいと言える環境があればブラック企業なんて無くなるのではと思うのだ。

 

まあ日本の企業文化だと難しいのかもしれないけどね。しかし思うのはブラック企業を生み出し、そしてそれがいつまでも滅びないのは、そのブラック企業を受け止めてしまう日本の多くのサラリーマンの気質にこそ問題があると思うのだ。

 

まあ無職ヒモニートの戯言でしか無いけどさ。

 

 

 

無職ヒモ日記26

〇 深夜のカルガモ狩り(※フィクションです)

 

深夜丑三つ時。俺は板橋区某所にある公園に出没していた。

 

何のことは無い。カルガモの雛を捕まえるためである。

 

その池は半径30mほどの小さな池、しかし濁った池の深さは未知数。一度昼間の下見で長さ50cmほどの木の枝を突っ込んだが、それでも底には着かなかったので、恐らく1m以上は深さがあるだろうと踏んでいた。

 

俺は近所のスーパーから要らなくなった発泡スチロールの箱を貰ってきていた。それを火で炙ったカッターナイフで四方を切り平な板にし、切り分けた4面と蓋の部分をガムテープで重ね合わせビート板代わりとした。池での行動を容易くするためである。

 

目標は池の中央の小さな小島、そこにカルガモ親子が住んでいた。そこに上陸するためには、深さ未知数の池を泳いで横断しなければならない。非常に濁った水のため顔をつけたくないので例の発泡スチロールで作ったビート板にしがみついて泳ぐつもりであった。

 

深夜の都内、人気の無い住宅地の真ん中にある公園、そこに発泡スチロールをガムテープでぐるぐる巻きにしたゴミの様な板を持って水着姿で歩く成人男性。最早、狂気以外の何物でも無い。

 

当時、警察に通報されて職質でもされたら基地外扱いされて病院送りになっても文句は言えない所業であったであろう。

 

しかしそれでも俺は滾る血を抑えきれなかったのだ。俺の身体に眠るカルガモの雛狩りの血が(下記参照)

chonny.hatenablog.com

 

未成年の頃ならいざ知らず、成人になって、しかも無職のヒモでしかない俺が都会のど真ん中でカルガモを捕まえているだなんて知られたら完全に逮捕される。そもそも動物愛護法とか鳥獣保護法とか色々アウト

 

そのリスクを鑑みても、なお俺をカルガモ狩りに駆り立てるものは一体何なのだろうか? それはもう狂気である。俺は狂っているのである。カルガモの雛に。

 

月の無い晩、明かりも遠く、都内にしては珍しく暗闇が多い公園内。池の傍から俺はそろそろと脚を差し入れる。昼間の灼熱の太陽の置き土産か、池の水はまだそこそこ温い。ゴミ同然のビート板を水に放り、そこに手を置きながら慎重に足を水中に入れていく。想像以上に深くはあったが、しかし腰ほどの深さで脚はついた。

 

俺は両足を池の底につけると静かに歩みを進めた。静寂な池の水面にさざ波が立ち、わずかな水音が立つ。野生動物の聴覚はそんな音でも察知する、もっと慎重にならなくてはいけない。俺は息を殺しながら、ゆっくりと進み、音を出さないように進む。

 

と、そこで突然池の深みが増した。腰ほどの深さから急に足がつかなくなる。仕方なくビート板の浮力に身体をまかせ、池の底から足が浮く。そこでビート板が深く沈み込み、大きな波を立てた。まずい、カルガモ親子に気付かれただろうか。息を殺すが小島からは何の物音もしない。

 

まだ大丈夫であろうか、池の真ん中の小島まで後数メートルであった。何とか気づかれないまま上陸したい。奇襲作戦が成功すれば網の無い素手でも何とか勝負に持ち込める。俺は更に慎重に足を進める。水面に浸かった身体の抵抗が大きく、進みの速度は遅かった、数メートルの距離が遠くに感じられる。無限とも思える時間に思えたが実際は5分ほどであろうか。俺は何とか池の真ん中の小島までたどり着いた。小島の大きさは周囲7~8m、葦が生い茂り中の様子は外からでは伺い知れない。

 

島は当然人工のもので、水底~水面までは石垣のようなものが積み上げられていて、側面はデコボコが多い。足をかける場所には困りそうに無かった。静かに、そして息を殺し俺はビート板から手を離し小島のヘリに手をかける。水中の石垣の中ほどに左足をかけ、力を込める。いつでも上陸可能だ。あとはタイミング次第。

 

息を殺し、島中の気配を伺う。中に動きは無い。奇襲成功か? 俺を心の中で数を数えた。3、2、1、!!

 

左足を踏ん張ると共に、小島のヘリにかけた両手に力をかける。水中から体が勢いよく飛び出し、勢いに任せて右足を島の地面につくと、一気に葦を押しのけカルガモの巣がある辺りに突っ込む。さぁ狂気に満たされた俺の狂った宴の幕上げだ!!!!

 

と思ったら巣の中は空っぽであった。饐えた泥の匂いと鳥類の野性的な匂い、それと鳥の糞が入り混じった匂いが充満する葦の小島の中、足元にあるカルガモの巣には、白い卵の欠片が僅かに暗闇の中に見えるだけで、他は何も無い。もぬけ空であった。

 

そんなまさか、物音すらしなかった。俺の奇襲作戦は完全に成功だったはず。愕然とする俺の耳に、小島の外から僅かに水を搔きわける音が聞こえた。まさかと思い、葦をかき分け池の水面を目を凝らして見る。わずかな星明りの下、黒い塊が無数の小さな塊を従え小さく集まって泳ぐ姿が見て取れた。

 

やられた。10代の頃から長らくカルガモ狩りから足が遠のいていた俺は完全に五感が鈍っていた。

 

恐らく母ガモは俺が水辺に入った時から目を覚まし気づいていたのだろう。そして俺が深みに嵌って大きな水音を立てた時、完全に巣から撤収していた。俺はその水の出した音の中に葦をかき分け逃げるカモ親子の音が混じっていたことに気付いていなかったのだ。

 

かつての俺なら、川の流れる音の中に、カルガモ親子が水面に下りて泳ぐ音を聞き分けることが出来たのに。かつての感覚の鋭さは完全に衰えていた。俺はそれに気づいていなかったのだ。歳はとりたくないものである。

 

小島に立ち尽くす俺に勝ち誇るかのようにカルガモ親子は俺の目の前数mを悠々と泳いでいる。

 

この池の深さでは飛び出して捕まえようとしても、水面を浮かんで逃げるカルガモ親子のスピードには敵わない。それより深さ不明の池の中に飛び込むリスクも大きい。

 

俺は素直に白旗を上げ退散することにした。

 

都会のカルガモを人に慣れ切った家畜同然と侮った俺の負けである。来年に、五感を鍛えてまた挑んでやる。俺はそう心に固く決めて池を泳いで渡り去ることにした。この悔しさを俺を大きく成長させるはずだ。今はそう信じるしか無かった。

 

果たして無職ヒモの俺に来年はあるのか!? だらけ切った生活の中に五感を鍛える術はあるのか!? がんばれ無職ヒモニート!! 来年こそはカルガモ親子に勝てるのか!!

 

次回:「びしょ濡れ海パン姿の俺、帰宅途中に警察に捕まる!!」

   「どんな言い訳も無職ヒモニートで信用ゼロ!!」

   「彼女が警察に迎えに来てくれない!?」

 の三本立てです!みんな見てね!!

 

 

※ この話は完全にフィクションです。都内でカルガモを捕まえようとしたら多分鳥獣保護法とか条例とかで完全に逮捕ものです。決して真似することないようお願い致します。あと通報も

 

 

 

 

 

無職ヒモ日記25

 

 

〇 ホワイトデー

 

バレンタインというイベントは嫌いだ。何故なら、何も思い出が無いからだ。

かつて不遇の学生時代を過ごした。バレンタイン、クリスマス、他になるかあるか分からないが、所謂恋人に関するイベントには学生時代に一切の思い出は無い。

 

バレンタイン、ドギマギする気持ちを抑えて誰かくれるものかと期待して学校に出向くが女子は誰一人として来ちゃくれねぇ... そうか皆照れ屋さんなんだなと思いつう帰りの下駄箱を除くが何もねぇ、2月15日の朝、それでも諦めきれずに下駄箱を探してみるがやはり何もねぇ... そんな学生時代を中高大と過ごした。

 

故にバレンタインの思い出は皆無である。

 

それ故に俺はこういうイベントごとへのお返しをどうした良いのか分からないのだ。

 

それで貰ってしまった彼女からのバレンタイン、一応ヒモである身の俺にもチョコをくれるのが優しい彼女である。菩薩や、マジで菩薩のようなお方やでぇ

 

なんかよく分からないけど外国製の高い奴っぽい、パティシェとかが作ってるやつ? よう分からんけどブラックサンダーよりは旨い。ちゃんとカカオの香とか強いし、お酒度か入ってるし、触感が違うよね、口の中でほろりと溶けるというか。

 

たぶん高いチョコなんだと思う。値段が分からないけど、5倍返しとかしたらたぶん己財布からお金無くなるレベル。

 

しかし安いチョコでは絶対満足しないだろうし、どうしたら良いんだろう…と迷っていたらもう3月14日である。ちなみにまだ用意はしていない。

 

ちなみに去年はホットケーキを焼いてあげた気がする。普通の森永のホットケーキミック買ってね、卵と牛乳が家にあるやつ。実質おれが出したのはホットケーキミックスのお金だけ。

 

今年もそれじゃ駄目かな? つーかこんなことしてたらいつか彼女から殺されそうだ・・・ ヒモはヒモらしく彼女に尽くすべきか

ちなみに念のため、俺はこの事件の被害者じゃありません。

 

www.j-cast.com

 

 

 

無職ヒモ日記24

 〇 カルガモ狩り

 

唐突であるが、カルガモの雛を捕まえるのが趣味である。

 

何かの比喩とかでは無い。紛う事無くカルガモの雛を狩るのである。

 

これはもう性癖に近いと言っても良い。毎年6月~8月のカルガモの繁殖期になると血が沸き立ってしょうがないのだ。ネットニュースやTVでカルガモの赤ちゃん誕生とかカルガモ親子の大行進、などという映像を見た日にはもう止まらない。体が震えて現場に今すぐ向かいたくなるのだ。

 

この性癖に目覚めたのは小学校低学年くらい、実家は両サイドを川に囲まれているという、希有な立地に生まれた俺は夏になれば毎日川に入って遊ぶほどの川っ子であった。

 

そんな川っ子の俺はある日カルガモの親子に遭遇して興味本位で接近しすぎてしまった。それがカルガモ母の逆鱗に触れたらしい。彼女は羽を水面に叩きつけながら嘴を突き出して俺に飛び掛かってきたのだ。当時まだ身長140cm程度の小柄の俺、体長60cmあまり、翼を広げたら90㎝ちかくあるような野生動物が威嚇しながら猛烈な勢いで迫ってくるのは恐怖以外の何物でも無かった。当時の俺は服が濡れるのも厭わず川を走って転びながら泣きながら逃げた記憶がある。

 

これが俺とカルガモの因縁の始まりである。

 

その記憶が俺の心に与えたトラウマは大きかった。人間がカルガモ如きに舐められてたまるか、俺は万物の霊長なる人間様ぞ。鳥類如きにコケにされてたまるかと、夜な夜な涙し復讐を誓ったものである。

 

それ以降、毎年カルガモの繁殖期になると俺は子連れカルガモハンターと化した。

 

まずはカルガモの巣を見つけるところから始まったのだが、これが難しい。彼女たちとて野生動物である。野良猫やカラスや鼠など、天敵に容易に見つからぬような場所に巣を作り卵を温めるため、小学生の浅はかな頭では見つかるはずも無い。

 

巣を探し続けて幾星霜、結局発見出来たのは偶然で見つけた2回のみである。ちなみに卵を温めているカルガモをどうにかするのは人道上どうかと思ったので、見つけた後は定期的に観察するだけに留めておいた。

 

次にカルガモの生態である。都会の池などで人に慣れたカルガモと違い、田舎のカルガモはそれなりに人を警戒している、トビやカラスなどもいてヒナが狙われる率が都会に比べて高いと思う。故にヒナがまだ小さくて狙われやすいうちは開けた場所を泳ぐ機会は少ない(少なくともうちの地方は)川岸のギリギリを泳ぎ、水面に垂れた木や草の隙間を縫うようにして泳ぐことが多い。これは彼女たちの植生が雑食で水草、草のたね、タニシなどを食べる点からも餌を探す作業を兼ねている部分もあるかもしれない。

 

また雛を抱えている親鳥は非常に警戒心が強い、カルガモの警戒は非常に分かりやすい。首の長さでその個体の警戒度が分かる。首をすぼめている状態は警戒を解いている。この状態はほぼ無警戒であると言って良い。

f:id:chonny:20170314215414j:plain

逆に警戒している時は首を長く伸ばす。

f:id:chonny:20170314215812j:plain

特にコガモを抱えている時の母ガモの警戒心はなかなかに高い。オスがこの時期、岸寄りを泳ぎながら警戒心をあらわにしながら餌を食べてる姿をあまり見ることは無い。

 

つまり岸寄りを警戒心露わにして泳ぐカルガモがいたら高確率で雛を連れているカルガモである。

 

小学生だった俺は当時、学校が終わると川上から上流にかけてくまなくカルガモをチェックしてカルガモの雛を探したものである。

 

カルガモの雛を見つけたら… ここで雛を捕まえる場合に重要なのはコガモの習性と親ガモの習性である。カルガモのように、生まれてすぐに巣を出て泳ぎ始めるような鳥は擦り込みといって卵から出てすぐに目にしたものを親と認識する。それ故、ヒナたちは親ガモから離れず後ろをずっとついて泳ぐのだが… コガモは危機に直面すると、親ガモの元から真っ先に逃げ出す。コガモとは思えぬ速さで一斉に散り散りに泳ぎだし、草むらに逃げ込むのだ。これは非常に賢い選択である。固まって逃げるよりバラバラになって逃げる方が全体としての生存率がかなり上がる。おまけにあの小さな個体で草むらに入られたら見つけるのは困難だ。

 

親ガモは親ガモで、偽傷行為とは違うが翼を水面に叩きつけながら大きな音を出してこちらの注意を引こうとする。そうしてコガモの逃げた方と反対側に狩人を誘導しようとする。コガモは親の後を追うものと思ってこれを追いかけると、コガモが全くいない方向に連れていかれてしまうので注意が必要である。

 

さて、逃げ出したコガモと親ガモであるが、上手く敵から逃げ通した後はどうやって再開するのだろうか?

 

親ガモは危険が去ったと思われるタイミングで、コガモとバラバラになった地点に帰ってくるのだ。それまではどこか遠くに飛び去っていたり、狩人を遠くに誘導していたりする。

周囲を警戒しながら、敵がいなくなったことを確認するとヒナを呼ぶ独特の鳴き声を発する。そうするとそれまでバラバラに散って草むらに隠れていた雛たちはその鳴き声を聞きつけ集まってくる。それ以外のことでヒナたちが隠れている場所から出てくることはほぼない。

 

また更に急な危機、例えば岸から遠い開けた川面であったり直上から急にトンビに襲われた時などは、ヒナは水中に逃げる場合がある。あの小さな体で平気で30秒~1分以上は潜ってたりする。その際は瞬膜と言われる半透明状の二枚目の瞼を閉じてゴーグルのようにして水中を泳ぐのだ。

 

これらの習性を把握した上で、川でどうカルガモの親子を狩るかである。

 

俺が選択した方法は網を持って土手沿いの道を徒歩で移動し、見つけた場合即急襲である。ヒナは小さく、手で捕まえていたのでは効率が悪く、またすばしっこいので逃しやすい、また先述した通りに水中を潜って逃げる場合がある、それ故に網で捕まえることが効率的に優れている。また川の中を移動しながら探していたのでは音でバレるし、何より水に足を取られて動きにくい。土手を歩きながらひたすら探索するのか最も効率が良いのだ。

 

見つけた場合どうするか? カルガモの場合、川を泳いでいれば陸上の動物が水の中まで追ってくることは無いと高をくくってる節がある。発見して川岸まで下りていくと、大抵は川の中ほどでこちらの様子を伺いながら中程度の警戒でこちらの様子を見ている場合が多い。この時がチャンスである。

 

カルガモ親子と向こうの川岸と俺が一直線の線を引いて直角になるような位置取りをするのがコツである。この場合なるべく浅瀬の方が好ましい、目安は脚の膝を超えない程度(理由の説明は後程)。タイミングを説明するのは難しいが、親ガモが隙を見せた瞬間に襲いかかるのである。岸を勢いよく蹴って川に飛び込む、先に説明したが浅瀬であることが重要なのはこの際の機動力がモノを言うからである。深ければ深いほど足を取られて動きが鈍くなるからだ。カルガモ親子と接触する時間が短ければ短いほど良いのだ。

 

俺の動きを察知してカルガモ親子が取る行動は一つ、親ガモは俺に向かってくる。コガモたちは蜘蛛の子を散らすように逃げていく。親ガモには目もくれず、慌てふためくコガモの群れ、その瞬間を捉え網ですくうのだ。なるべく多くが逃げている方向に網を向け一気に振り下ろし網のなかに閉じ込めすくいあげる。その後は取りこぼしたコガモにすぐ視線を向け、追いかけられるようなら追いかけて手で捕まえる。草むらに逃げた場合はどうせ見つからないので諦める。ただし場合によっては水辺と岸の隙間に身を潜めていたり、水中に潜っている場合あるので周辺を目を凝らしてよく探すと良い。

 

こうして捕まえたヒナたち。狩りが終わった後はスタッフが美味しk… って、んなわきゃない。

 

コガモはまだ小さく肉なんて無いに等しい。食べるところなんてほとんど無い。じゃあ家で飼うかと言われたら、残念ながら擦り込み済みのコガモを飼うのは非常に難しい。あとうち親はペット禁止だったし。

 

じゃあどうするかと言われたら親ガモが戻ってきた時に帰します。親ガモが子を呼ぶ合図は先に説明した通りである。狩りが一通り終わって満足して一息ついている頃に親ガモは戻ってきて逃げたコガモを呼び始める。その時、俺の魔の手から無事逃げ通せたコガモたちが草むらから出てき始める。そのタイミングで網からリリースするのだ。

 

キャッチアンドリリース。これが基本であった。そうやって俺は何年もカルガモ狩りを繰り返していた。年々精錬されていくカルガモの雛取り。カルガモの雛を飛び道具無く捕まえる技術では当時、日本でトップ3に入る自信はあった。ちなみにこの狩りの趣味は高校3年まで続いた。高校3年の集大成として、今度はヒナでは無く、成長したカルガモを捕まえて友人たちと食すということをした。川岸に七輪持参である。捕まえたカルガモを血抜きし、ニンニク醤油をかけて七輪の炭火で焼いて食べたのだ。なかなかの美味であった。

 

そんな若気の至りであった。

 

大人になってからはそんな気すっかり失せて… と言いたいところだが、先に書いた通りに血が疼くのである。まるで邪気眼かのように、カルガモ特集などを見るたびにウズウズするのである。

 

まあさすがに成人した大の大人がしかも東京でカルガモを捕まえるなんて、常識としてあり得ないでしょ…と思うのは素人の浅はかさ。俺は何を隠そうヒモである。もう一端の大人の社会常識など遠の昔に捨て去っている。

 

具体的に言うと板橋のA公園の池なんですがね、これが深くて胸まで浸かるんですが、そこを発泡スチロールの空き箱で作った板をビート板代わりにしt… おっとこんな時間に来客だ。彼女が帰ってくる時間にはまだ早いし誰だろう?

 

 

無職ヒモ日記23

〇 昔と今

 

・今日は1日中寝ていて頭がぼんやりとしている。起きていても、いまだ半分頭が寝ているような。夢か現か状態である。コーヒー飲んでもコーラを飲んでも、身体を動かしてもスッキリせず。頭の中で汚れて濁った血が滞留したまま、流れていかない。思考は霞がかかったかのように薄ぼんやりとしている。

 

昔、ヒモになる前、彼女と出会う前のただの無職引きこもりであった時、よくこんな状態で生活をしていた。同居者がいない分、起きるときも寝るときも気まま。朝方に眠りにつき昼過ぎに起き出す。明るい時間がほんのわずかで。うっかりしているとすぐ夕方になり、太陽を拝むこともないまま1日が終わることも多々あった。

 

万年床の布団はいつもジメジメしていて、床はゴミとホコリでまみれていた。

 

そんな部屋で俺は毎日PCに向かってアニメを見るか2ちゃんのまとめサイトを見るか、本を読むか。

 

夜の9時くらいになると近所のスーパーでお惣菜が半額になるので、それには欠かさず顔を出していた。その時間にお惣菜コーナーに集まる連中には決まった顔ぶれがあって、お互い挨拶をすることは無かったが顔見知りで「ああまたあいつだ」と俺はいつも思っていた。恐らく向こうもそう思っていただろう。スーパーの店員は俺の顔を見ると嫌そうな顔をしていた。(俺の自虐かもしれないが)

 

帰ってくると、手に入れた総菜を食べながらアニメを見たり、youtubeを見たり。この時期腐るほどアニメを見たはずなのだが、しかしその中身は一切覚えてない。夢か現かの状態であったからであろうか。

 

彼女のヒモになってからは朝食くらいは一緒に食べるので、一応規則正しい生活は送れている。

 

思考に霞がかかったような、夢か現かのような毎日は過ごしていない。一応現実を生きている自覚はある。

 

その状態が良いかは分からないが、しかし過去のその生活に戻りたいとはあまり思っていない。当時、毎日がそんな状態で確実にIQが20ほど低下していた気がする。モノを書く気力も外に出かける気概も無く、日々の時間がボンヤリと過ぎていた。いまははっきりと時間を無駄に過ごしていることを自覚し、自分の社会的クズさを自覚しながら生きているので、どちらかと言えば今の方が人間らしく生きているような気がする。

 

何を言っているのか自分でもさっぱりわからねーが… まあヒモ生活は無職ひきこもり生活より健康的ってことですね。

 

今日は久方ぶりに朝方寝て、昼過ぎの起きたので、かつての感覚を思い出したのであった。幼女戦記ぶっ通しで見てました。ターニャちゃんかっこいい、けど昔の上司みたいで時折見ていてつらいwww